【公演速報】8月15日《シリーズ 光の界面ーオープニングアクト》

昨夜、インスタレーションシリーズ《光の界面》が開幕いたしました。
場の作家自身によるオープニングアクト、公演記録は.kiten運営者・川津望氏より寄せられました。
その場にいらっしゃれなかった方にも、「その時」のひとかけらを垣間見ていただければと思います。

今井蒼泉氏によるパフォーマンスは暗転の中、マッチを擦ることからはじまった。今井氏が表現集団「なづき」の公演『流態城市』で手がけた舞台美術のカケラを用いての新インスタレーション「光の界面」である。白い花瓶にいけられた白百合の花を愛でるような仕草と、時折インスタレーションを暴力的に抱きしめ、床にたたきつける身ぶりからはどことなく今井氏自身の激情をも感じる。「光の界面」を傷つけ、時にインスタレーションを吊っている工事用ロープを擦ることによって音を出し、吸音による発声やとりとめもなく小さく歌う今井氏のパフォーマンスからは、どことなくイノセントでいなければ(或いはそう演じなければ)光と光の出会う場所に関わることができないかのような孤独者の決然とした態度がある。終盤、壺の中からかがやく照明を取り出す身ぶりは今井氏が得意とする表現文法だが、マッチの火から広大な光へ、また今井氏の創造物である城市=都市であったものの上に、既製品の透明な細かなカケラを降らせるなど相反するものが実はコインの裏表であることをつきつけるような、演者の視点の切り替えが際立つ公演だった。

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