【公演お知らせ】12月7日《Eudoxiod years 4th live 天使譚/妖精譚》

過ぎゆく年を送るように、この世の外の音を紡いで織りあげる一夜をご用意いたしました。ご案内の文章は.kiten運営者・川津望。

天使の声、妖精の歌。異界から引き出された音が場をこまやかに震わせ、知ることのなかった世界へお連れいたします。

ご来場、お待ちしております。

Eudoxiod years 4th live
天使譚/妖精譚

2本のギターと3つの声による音楽じかけの絵巻物。今回は詩のテキストをもとに一夜限りのパフォーマンスを織り上げます。細田茂美の天衣無縫なギターと語り、やましんの緻密な音とキテレツな音響詩、川津望の天国と地獄の声が12月の空気をふるわせます。

Eudoxiod years 4th live
天使譚/妖精譚

Eudoxiod years
川津望:vocal,text
やましん:guitar,vocal
細田茂美:guitar,vocal

日時:12月7日(土)
開場18:30
開演19:00
入場料:2,000円

※終演後懇親会あり。
参加任意・参加費1,000円

ぜひおでかけ下さいませ。

 

【公演お知らせ】12月14日《SIREN 4th》

12月の月なかば頃、声と音をとおした《秘められたものたち》の変容の過程に、是非お立ち会いください。

ジャーナリスト、写真家、そして音楽家と多彩な活躍を魅せる烏賀陽弘道氏のシンセサイザー、.kiten運営者にして詩人、音楽家、ヴォイスアーティストとして自身の奥に秘めたものを表し続ける川津望氏のヴォイスによるユニット。今回はゲストにギターの見山辰也氏を迎えての4thライブです。これまでの活動の様子がメンバーの対話抜粋から伺えます。

どうぞ、声と、音と、変容するやわらかなものに触れにお越しください。

撮影 烏賀陽弘道

烏賀陽:人間は成長するとイノセントから無理やり引き摺り出され、その後社会に適応することだと親や教師にいわれます。その過程の摩擦や葛藤、混乱やカオスを私はのぞみさんに見出しますし、やがてそれは内面との和解、自分を許す、和解する、平和を得るという希望もみいだします。フロイト・ユング的な言葉を使うと、精神の成長と言いますか、成熟と言いますか。多少の僭越を覚悟でいえば、のぞみさんの内面の旅に伴奏・伴走しているという感じでしょうか。ですのでのぞみさんは「ありのまま」でいいのではないかと。

川津:ありがとうございます。烏賀陽さんとSIRENをさせて頂くことで、わたしの声に住んでいる少女と魔物……つまりセイレーンですが、回を重ねることでどこか引き裂かれていたものらの摩擦などから生じる苦悩が、苦悩だけでない表現の方法を獲得できつつあるかも知れないと感じています。たとえばこないだのSIREN3rdで、烏賀陽さんが奏された一音から瞬間的に物語が頭の中を通ってゆきました。わたしはその物語にある種「憑依」されたような心地でうたわせて頂きました。音楽の時間性に揺られ、ラストで自分に「こういう表現をしてもよいのだ」という許し、肯定を与えることができたように思います。今回は強力なゲストもお呼びしています。SIREN4thでは名指しえない部分を音楽という方法を用いて、ある種せかいへひらかれた窓を出現させることができれば、と思います。

(おはなし:烏賀陽弘道、川津望)

SIREN 4th

日時 2019年12月14日(土)
開場18:30 開演19:00

入場料 2000円

出演
烏賀陽弘道 synthesizers
川津望 voice
ゲスト 見山辰弥 guitar

終演後 打ち上げあり(参加任意)
参加費1000円
差し入れ大歓迎!

【企画お知らせ】12月1日《.kiten朗読会》

密やかに秋が深まり、冬の声をやがて聞くだろう頃に、あたたかな催しを企画いたしました。12月の始まりの日、昼の企画です。是非.kitenにお越しください。

 

2019年も残り1か月半、様々なパフォーマンスや交流を続けてきたキテン朗読会、今年の締め括りは12月1日です。ひとは他者と出会うことで自らを知り、同時に新しい自己が生まれてくるのだと思います。詩や短歌・俳句、音楽やダンスなどいろいろな表現をお待ちしています。キテンという場で、どのような表現が生まれてくるか、あなたも参加者として立ち会ってみませんか。観覧だけでもOKです。
4回めを数える今回は、『月光苑』(土曜美術社出版販売)、『ロッキングチェア』(しろねこ社)を出版された大原鮎美さんの朗読もたっぷり。自ら打ち込んだノイズミュージックとコラボされた独特の世界をお楽しみくださいね。
また、しろねこ社の新しい詩誌「光」(特集:大原鮎美)も販売致します。皆さまのお越しをお待ちしております。

沙羅樹

自作他作問わず詩、短歌、俳句、翻訳、散文を中心とした文学にしたしむ会。音楽家、舞踏家、ダンサー、パフォーマー等の皆様も、ことばとコラボレーションをするよき機会です。ぜひおでかけください。

川津望

キテン朗読会
於 アートスペース.kiten

日時 12月1日(日)
開場12:30
開演13:00
参加費 1,000円

【公演お知らせ】11月30日《陶板》

今年の11月の最後の日、夕刻。舞踏と声、動き、そして音楽。深まる秋が冬へと踏み込むための、儀式のような公演が企画されております。

どうぞ、お越しください。終演後は恒例の懇親会もございます。

『陶板』
八日目の朝
それをたれかがみつけてくれろと
秘めたる言の葉 埋めました
陶板の掌ろに

●出演
園田游:舞踏
中溝亞紀子 (Aquikhonne):声、動き、など
園丁:ダブルリード、鍵盤、など
照明:月読彦

開場19:00
開演19:30

入場料 2000円

終演後打上げあり。参加費千円

【公演お知らせ】10月27日《榎木ふく+川津望》

朝晩が静かにひんやりするようになってきました。数日うちにはすっかり秋が訪れているはず。

《光の界面》の場でたくさんの豊かなものを生み出した.kitenでは、2週間後、近しくも遥かな場所への旅のご案内をいたします。出演者にして旅人、川津望氏によるお誘いです。どうぞお越しください。

先日ソロ舞踏公演を終えられた舞踏家 榎木ふくさんと声でコラボレーションします。場所は.kitenです。
わたしも先日、旅をしてきました。その旅はわたしにとってうすまったからだを濃くするような神話的な旅でした。今回はうたうというよりも、自分の中にある死者や自然に関わる者たちの声を喉に招きたいと思います。ぜひおでかけください。

榎木ふく+川津望

10月27日(日)

出演

榎木ふく 舞踏
川津望  声

開場 18:30
開演 19:00

  1. 木戸銭 2,000円

【公演速報】《シリーズ 光の界面 maguna-tech 【 kick in the blue 】》について

9月も終わろうという28日夕刻、光の界面が織りなす場に現れたのは、ノイズと舞踏のユニット「maguna-tech 」のお二人でした。
公演【 kick in the blue 】について、.kiten運営者、川津望氏の言葉と写真にて、“場”に現れ、展開していったものをおすそ分けいたします。
写真と写真の間に流れた時間をもご想像いただければと思います。

 

maguna-tech 【 kick in the blue 】は武智圭佑さんによる水の音からはじまりました。フードのある服をうしろまえに着た武智博美さんがゆっくりとした歩行と共にあらわれます。手に赤い糸を垂らし、なにかをうしなったひとのような喪失感をまとった博美さん。今回は床を使った舞踏の動きが目立ち、動物と人の間のような繊細さをもっておどられます。圭佑さんはノイズとギターによる音響で青の中にあらわれることを描写してゆくようでした。偶然倒れたインスタレーションに荒々しく乗った博美さん。青空を蹴るようなイメージがふと浮かびます。「逆立ちをして歩く者は、足下に、奈落の天をもつのです。」ビューヒナーの書いた「レンツ」についてツェランが語ったことを想起しました。ラストで傷ついた表情で上を見上げる博美さんは、奈落の天の果で何を見たのでしょうか。圭佑さんの音楽が鳴りやんだ世界で、彼女はまた、踊るのでした。

武智 圭佑(ノイズ)
武智 博美 (舞踏)

             

【イベント報告】妖精晩餐会

自分が料理人をしたゴハンイベントの記事というのも面はゆいものですね。
というわけで過日、光の界面の展開する.kitenにて、川津望氏主催、私・滝野原が料理人で晩餐会を開催いたしました。川津望氏の文章、そして参加者各位の写真にてご報告いたします(この日お出しした料理については順次クックパッドにレシピを載せて参ります)。

食べ物は心身を養うもの、ということを常に念頭に置いて、食卓に着かれるみなさんの好みや体調(あらかじめ伺ったり推測したり)、その時の気候条件を考慮し、それとバランスしつつ、美味しいものをお出ししたいと考えています。用意した食卓を喜んでいただけたことが何よりうれしいです。


梅しそカプレーゼ 撮影:田野倉康一


グリーンサラダの魯肉乗せ 撮影:川津望


四神湯 撮影:川津望

非公開イベントとしておこなわれた「シリーズ 光の界面 妖精晩餐会」。詩人、ライター、音楽家、ダンサー、美術家が参加されました。.kitenサイトスタッフであり、料理研究家、また薬学研究者 滝野原南生氏による絶品台湾薬膳料理をおいしくいただきました。出てくる品々に対し思わず身をのりだす参加メンバー。普段なら苦手だという食材も、滝野原氏の手にかかれば食べやすく美味なるものに。参加された詩人の方が思わずボルタンスキーの展示を想起したという「ボルタン飯」の迫力、またその素朴なおいしさ、ラストのデザートまでじゅうぶんにたのしみました。食欲不振だったという詩人の方も食欲が湧いたとのこと。料理を話題に盛りあがり、そして大切なはなしをする方々もいらして、心身ともに健やかになれる晩餐会でした。


鶏肉と山芋の棗煮込み 撮影:川津望


鯖のアジアンサルサ添え 撮影:川津望


撮影:川津望

当日のメニュー

前菜:梅しそカプレーゼ
サラダ:グリーンサラダの魯肉乗せ
スープ:四神湯
肉料理:鶏肉と山芋の棗煮込み
魚料理:鯖のアジアンサルサ添え
お食事:ボルタン飯(挽き割りトウモロコシ入り炊き込みおじや)
デザート:白キクラゲと栗の甘いスープ


ボルタン飯 撮影:田野倉康一


白キクラゲと栗の甘いスープ 撮影:川津望


撮影:川津望

【公演速報】《シリーズ 光の界面 野村喜和夫+小森俊明》について

月半ばの三連休の最後は、光の界面の場にて詩人・野村喜和夫氏と音楽家・小森俊明氏が出会いました。読み上げられる言葉、奏でられる音楽が紡いだ第1部、そして今回のシリーズでは異色ともいえる対談企画の中でお二人の芸術への対し方が姿を現した第2部。
.kiten運営者、川津望氏のことば、そして中村みゆき氏と川津望氏による写真で当日の様子をお届けいたします。
  撮影:中村みゆき
シリーズ 光の界面 野村喜和夫+小森俊明はある意味においてとてもユニークな公演でした。第1部のコラボレーション、作曲家でありピアニストである小森さんのピアノの演奏は、(西洋)音楽の歴史の層から極光のうねりを引寄せたかのように、多くの音が持つ階調を担うものでした。後半はピアニカを演奏しながら歩行するなど、動きをとりいれてのパフォーマンスも披露されました。野村さんは澄んだ川の水を飲んだあとのような張りのある声で処女詩集『川萎え』から2篇ほど朗読されたあと、突如「だれ? 」と言いながら.kitenの外へ。ほどなくしてお帰りになると「会陰讃」の朗読がはじまりました。また『閏秒のなかで、ふたりで』から「エクササイズ」もお読みになり、小森さんの5度音程を平行的に用いたピアノと相成って、身体表現を伴った過激なパフォーマンスもおこないました。ラストは『薄明のサウダージ』。「誰何(すいか)」の呼びかけが、.kitenへ溶け込んでゆきました。
   撮影:川津望

第2部 対談 野村喜和夫+小森俊明「詩と音楽の前線」(司会:川津望)ではまず野村さんと小森さんが身体表現と詩、音楽の関係において大切にされてきたところについて、おはなしをしました。聴衆や読者のはなしになった時に投壜通信やベンヤミンのはなしをしつつ、それらはもはや近代となっている、と野村さん。「以前は水準の高さで作品を評価し、また難解な作品でも読みたいという気持ちから、読者が読むために学ぶことがあった。現在は評価や作品の成立の仕方が多様化し、好悪で読む作品、聴く作品を選ぶようになっている」と現代の状態に対し警鐘をならすような方向へ対談はすすんでゆきました。AIの作るものは詩か、音楽か、アートか、というテーマにもはなしは及びました。現在さまざまなアーティストがAIを方法として使っている中、野村さんと小森さんのおふたりは決然とした態度をお持ちになりながらも、言葉に対して慎重になられていました。対談の最後に、野村さんはスマートフォンと人の距離についてはなしをされました。「いま、からだが消滅している」……そのことばから、川津は野村さんの絶望のようなものを感じました。身体と詩、音楽のはなしから身体の消滅へとはなしは導かれ、1時間強の対談を終えました。1部、2部、そして懇親会まで野村さん、小森さん、そしてお客様で対談では語りつくせなかったことをしばし話し合いました。
 撮影:中村みゆき

【公演速報】9月15日《Strange Kitchens》ご報告

三連休の中日、《光の界面》の場に展開したのは万城目純氏のディレクションによる新しい世界。公演の場で起こったことを、.kiten運営者・川津望氏のことばにて。世界の一端を感じていただけますように。

 

シリーズ 光の界面 万城目 純  direction

「Strange Kitchens」with saayaは、万城目さんの即興的な語りと、長年の経験に裏打ちされた公演でした。アイドルの光と闇、不思議な男とのかけひき、そしてアイドルの変容と男の口から語られる深淵からやって来た言葉。スタッフとしてこの公演を観て、わたしはヴェニスに死すを想起しました。勿論、ベケットやジョイスなどさまざまなまぼろしを生じさせながら、静かに動く万城目さんの存在が、場を覆いつくしていました。ラスト、光の界面の狭間で壺からわき起こるひかりを浴びて立ちつくす万城目さんの佇まいは大変説得力がありました。saayaさんは持ち前の技術を生かして、万城目さんの演出を汲み取っていたと思います。saayaさんの踊りや語りには作家 万城目純の世界……言葉と思考と身体がなによりも透けてみえました。

 

【公演速報】《シリーズ 光の界面》より「SIREN 3rd 川津望voice+烏賀陽弘道synthesizers」についてご挨拶

この三連休、幕開けは《光の界面》の場にて展開される《SIREN》3rd LIVEとなりました。
シリーズ企画者にして本公演の出演者、川津望氏の言葉にて、当日の模様のご紹介とご挨拶をお届けいたします。

  
撮影:やましん

SIREN 3rdは烏賀陽弘道さんとの間でことばによるキーワードを共有し、本番を迎えました。公演前、烏賀陽さんがシンセサイザーをチェックする中、鍵盤からあふれる音は映像や色、世界をわたしにインプットしました。1部と2部に分けて公演はプログラムされました。烏賀陽さんの作られる音は湿度やにおい、照明とはまた別のひかりを感じます。耳を澄ませて歌っていると、まるでどこかの国のことばのような音が唇からこぼれ、大きなかなしみが生じて涙があふれました。
2部では烏賀陽さんのシンセサイザーの音色に乗り、ピンクの山椒魚という即興の歌を歌ったり、ゾンビになったりしました。初回のSIRENに来てくださったお客様から「更にパワーアップしている」とうれしいおことばもいただきました。

最後になりましたがSIREN 3rd 川津望voice+烏賀陽弘道synthesizersにおでかけくださったお客様、また応援してくださったみなさま、ありがとうございました。だれかの記憶がふっとうかび、そこから広がる世界。SIRENの視界は次に何をとらえるのでしょう。ご期待ください。

 
撮影:烏賀陽弘道