速報「びざ~るな不汁無知ルの世界観」公演ご報告

Web担当者の手が回らずこちらでのお知らせが事後となってしまいましたが、去る2月24日は音楽ユニット不汁無知ルによる「びざ~るな不汁無知ルの世界観」公演でした。

以下、.kitenスタッフ川津望氏による公演の模様のご報告です。

恐らく.kitenで音楽ユニットのみのライブははじめてだったのではないか。そういった意味でも大変意義深い不汁無知ルのライブが24日(土)におこなわれた。渦ヨーコ氏による軽やかなトークを挟みつつ、一曲目《舟歌心中》は高田盛輔氏のチェロによる船底を水の打ちつけるようなイントロからはじまった。エフェクターを踏み替えながら合いの手を入れる高田氏の音にハスキー且つ艶のある歌声を聴かせる渦ヨーコ氏。サックスとチェロによるユニゾンと情念を含んだ歌詞が魅力的な楽曲は途中、Bachの《Cello Suite No.1 in G》の冒頭を想起させる旋律が挿入されている。和声でいうところの対斜を感じさせるラストは、非常事態の中のきらめく叙情をうたう渦氏ならではの昭和歌謡、クラシック、ジャズなどにあてはまりきらない分類不可能な表現だった。

《クリームシチュー》で渦氏はサックスをタンバリンに持ち替えながら歌いあげ、高田氏はさまざまのチェロの特殊奏法で、歌詞に書かれない題材の暗部を奏した。また、精神を病んだ患者の箱庭療法をテーマとした曲中では、チェロとサックスのかけあいがまるで繊細で緻密なカウンセリングのように空間に響いた。

不汁無知ルの世界観は深刻な題材を用いながらも独特のセンスと聴きやすさ、遊び心をもった稀有なものであるといえよう。

公演写真は後ほど掲載予定ですm(_ _)m

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