部屋と絵と行為『坂巻ルーム』(坂巻祐一氏委嘱企画)(2016年2月27日~4月10日)

坂巻裕一 美術家。制作主題は無意識・無対象。1978年茨城県水海道市生まれ 2003年多摩美術大学情報デザイン学科卒業。2011年個展「坂巻裕一 いのち」 2012年個展「坂巻裕一 景色」 2014年毎日書道展前衛部門佳作。

映像 チャーリー河村
写真 bozzo、macoto fukuda、笠原弓香
料理 青梅博子、富士栄秀也

●行為(パフォーマンス公演日程)
2/27土 南阿豆 舞踏
3/5土 清水友美 ダンス
3/11金 万城目純 ダンス
3/12土 阿坐弥 三味線
3/13日 梅澤妃美 ダンス
3/19土 岡佐和香 舞踏
3/20日 新井千賀子 ダンス
3/21月 中西昌大 ダンス
3/26土 浮世モード(やましん・秦真紀子・月読) ダンス・インスタレーション
3/27日 関谷泉 パフォーマンス
3/31木 玉内集子・三浦宏予 ダンス
4/2土 阿久津智美 ダンス
4/3日 山田零+タッタ 演劇
4/8金 村上理恵 ダンス
4/9土 小林嵯峨 舞踏
4/10日 深谷正子 ダンス

●坂巻裕一トークショー
3/4 空間・ロスコ・美術(仮題)
4/1 パフォーマンスとの融合(仮題)

●オープニングパーティ
初日2/27の南阿豆公演終演後料理アーティスト、青梅博子による、創作アートプレートが出現。正方形の器に坂巻絵画を反映した料理が盛られる。料理と絵画の饗宴!参加費無料。

〈企画コンセプト〉

3年前坂巻裕一はダンサーやボイスパフォーマーとコラボレーションしていた。巨大な紙に魄を切り刻むようにして墨を定着させ、森下スタジオの壁全面を覆った。それから交流が始まった。2015年10月にストライプハウスで開催の「HoneyCue&奇天烈月光団」というイベントにおいて、彩色作品に初めて接した。9枚の連作絵画「ハニー九」だ。あれから4ヶ月あまり、ここ.kitenに場所を移し、新たに10枚目として「ハニー十」を加え、10枚の絵画を展示。『坂巻ルーム』と命名して、総合企画化した。脳裏にはロスコ・ルームがあった。一人の作家だけで空間を構成するという類型さだけではなく、あの静謐な絵画群とは、一見真逆に、激しいイリュージョンを呈するのだが、なにか奥底に沈静なものを感じさせるという点に共通性を感じたからだ。ロスコのシーグラム壁画は幾層にも重ねられた絵具の深みが見るものを底知れぬイドの奥に誘っていく。一方坂巻のタッチはタブローを時に激しく、時にユーモラスに、時に撫でるかのように渾然と行き来するのだが、見ていると不思議に心が落ち着いていく。静かなカオスが立ち現れるのだ。イベントとして下記の日程のようにパフォーマーたちに出演を乞おた。坂巻を初めてのアーティストたちだ。激しい静謐さが流れる時間にどう身体が現れるか見てみたい。坂巻のテーマは無意識だという。唯識によると無意識の奥底にさらにアーラヤ識という時空を超越した集合的無意識があるという。パフォーマーの無意識はそこで坂巻の無意識と出会うだろう。観客を含む複数の人間が『坂巻ルーム』に会合したとき、意識されえぬ、共鳴の顕れも期待できるだろう。また終演後は宴会を企画している。ロスコの絵はレストランには飾られなかったが、この10枚の絵は食を彩る。どう酩酊できるか!

なお、写真家bozzo氏が「HoneyCue&奇天烈月光団」で撮影した82葉の「ハニー九」記録写真を画家自らが写真帖にまとめあげた。もちろん出品。かつてない幻像が出現するだろう。今からわくわくポンである。

 

 

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