秋が深まりゆくだろう頃に、密やかにはなひらくアートの供宴を用意しております。2回シリーズの1回目は10月27日に行なわれます。
.kitenスタッフ川津望氏が歌うように差し出すイメージに何かしら心がぞくりと揺れた方、是非お時間作ってお越しください。
そのひと匙にのるほどの屈折
〇日時
2018年10月27日(土曜)
開場18:30 開演19:00
〇入場料
2,000円
〇出演
山崎慎一郎(やましん)
織田理史
武智博美
★
「あとひと匙だけ」
ヒロミが私に与えてくれたなら……。
それがヒロミにとってなんてことのない
時間だったとしても。
そのひと匙が
ヒロミの痙攣であり、沈もくであり
あなたですら知り得ないあなたのかなしみと
はかりあえるものなのだから。
そのひと匙を
多くの男が
黄昏時にのぞんでいることに
ヒロミは首を傾げる。
そして、その芳しい夕べに
王が来る。
誇り高い王が、あの
「ひと匙」をまだ、花のように思って!
ヒロミ
今日はデザートはよいのだ。
「あとひと匙だけ」
王にも与えてやってくれ。
若く、誇り高い王に。
ヒロミはいつも通りでいいんだよ。
ヒロミはそのままの輝く笑顔で。
よくわからないわ、という風で。
私らを
最上のひと匙
罪をおかしたあとの旅路
霧にけぶり、絶望にすら色のついてみえる
奈落へ、突き落としてくれ。