週末の《シリーズ 光の界面》「さえずり/浅い眠りを曳いて」にお立会いくださいました評論家/写真家の矢崎秀行さまがとても素敵なご感想、そしてお写真を公開しておられました。お許しを頂戴しましたので、当サイトにも転載させていただきます。
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●町田藻映子と田野倉康一のパフォーマンス
昨夜は台風15号の関東接近を気にしながら、東京東陽町の小さなギャラリーへ行き、アート、舞踏、詩のパフォーマンスを観た。
詩人の田野倉さんは私のリアルな友人だ。
町田さんは存じあげなかった。2015年に京都市立芸大大学院を出たというから、まだ若い女性美術家である。
小柄な女性。和風の顔立ち。顔を白塗りしていたので「巫女」のような印象だ。みんなに「マチルダ」と愛称で呼ばれていた。
田野倉さんに誘われて行ったのだが、画像で町田さんの絵画作品に惹かれたことが大きい。
ギャラリーに20分前に入ったのだが、私は10分以上、町田さんがこの光の立体物の中に入って、眠り、蹲っていることに気がつかなかった。胎児のように。
彼女は存在感を消せるのだ。何か白い小さなものが左右にチラチラ揺れてきたので、目を凝らしてみると、小さな、本当に小さな、かわいい白い足の裏だった。
田野倉さんのしっかりした詩の朗読に対して、彼女はつぶやくように、ささやくように、さえずるようにゆっくりと舞いながら詩の一節を唄う。
この国の巫女は、何か大きなものを反射するようにささやき、さえずり存在を明らかにするということだろうか。
(文章・写真とも 矢崎秀行さま)